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森谷先生の「日々の運動で健康改善!」

第1回 目指せ肥満解消!-日常の活動で積極的カロリー消費のススメ-

2010/10/26

「食べすぎ」と「運動不足」——太るのはどっち?

肥満が大きな社会問題となりつつある昨今。もはや他人事ではありません。
ではまず、みなさんに質問してみましょう。「食べすぎ」と「運動不足」——日本人にも肥満が増えてきたのは、どちらに原因があると思いますか?
「これだけ食べ物が豊かになったんだから、昔に比べるとたくさん食べているんじゃないの?」と思われる方も多いでしょう。ところが、です。2004年の「国民健康・栄養調査」によると、日本人が1日に摂取するカロリーは、1920kcalとなっており、これは戦後間もない1946年(昭和21年)と、ほぼ同じであることがわかりました。
平成16年 国民健康・栄養調査結果 平成16年 国民健康・栄養調査結果
 
戦後の貧しい食生活から抜け出し、高度経済成長期を迎えるあたりまでは、摂取カロリーも増え続けていて、ピーク時の1975年頃には1日に約2226kcalも摂取していました。しかし、その後は少しずつ摂取カロリーも減ってきていて、今では1920kcal程度で落ち着いています。
それなのに、なぜ日本人に肥満が増えたのか。それが先ほどの質問の答え——「運動不足」です。実際、肥満は食べすぎによるものではなく、むしろ運動不足に原因があるという医学データもあるのです。もちろん、食事も食べすぎてはいけません。ただ、食事においては“量”よりも“質”や“中身”のほうに重要なポイントがあります。それは、また改めてお話するとして、まずは太らないために知っておくべき「エネルギー消費」について考えてみましょう。
 

動かなければ必ず太る! 『ニート(NEAT)』を増やそう

先ほど、肥満は運動不足が原因の部分が大きいとお話しました。しかし、運動によるエネルギー消費量は思ったほど多くありません。かと言って、運動をせずに食事だけをコントロールするとどうなるでしょう。脂肪自体はあまり減らないで、カラダの構成成分である骨や筋肉組織の重さ「除脂肪体重」だけが大幅に減少してしまいます。そのような場合、カラダに占める脂肪の割合(体脂肪率)が逆に大きくなってしまう可能性が高いのです。一方で、特に食事はコントロールせず、運動でエネルギーの消費量を増やした場合には、骨や筋肉(除脂肪体重)を減らさずに脂肪(体脂肪率)だけを確実に落とすことができます。
ただ「運動して消費エネルギーを増やしなさい」と言っても、苦しくつらいことをする必要はありません。「どんな運動も三日坊主で続かない」「足や腰が痛くて、あまり運動ができない」という人も、ガッカリしないで。私の言っている「運動」とは、いわゆるエクササイズのようなものとは異なる『ニート』です。英語で書くと「NEAT(Non Exercise Activity Thermogenesis)」で、直訳すると「非運動性熱産生」。2007年に「ニートを増やせば、特別な運動習慣がなくても、メタボ予防、糖尿病予防につながる」という論文が発表され、研究者の間でも話題になっています。

無駄に動くと『ニート(NEAT)』が増えて無駄肉が減る

『ニート』とは、わかりやすく言うと、意識して行う「運動」とは違った「日常の活動で消費されるエネルギー」のことです。朝起きて布団から起き上がる、トイレに行く、座る、立つ、歩く、電車に乗る、階段を昇り降りする……このように日常的に消費されるエネルギーは、すべて『ニート』です。
最近の日本人は、このニートが減っているのです。移動は車、階段よりもエスカレーター、掃除や洗濯は機械任せ、テレビやエアコンの操作はリモコンを押すだけ——誰もが当たり前のように、そんな生活をしています。食べる量(摂取エネルギー)は60年前と変わらなくても、活動量(消費エネルギー)が減っているのですから、太って当然です。
確かに、それぞれの動作で消費されるニートは大したことありません。しかし、「ちりも積もれば」で、少ない人で1日300kcal、多い人では800kcalもの消費になるんですよ。これに、心臓を動かしたり、呼吸をしたりするのに必要なエネルギー「基礎代謝」もプラスすると、双方で稼げる1日の消費カロリーが全体の大半量を占めます。
ニートを増やすためには、便利な生活とは逆行し「不便」を選ぶこと。車の移動をやめる、階段を使う、電車では極力立っている……など。買い物に行くときに、わざと遠回りするのもいいでしょう。「わざわざ運動しよう」と思うと面倒なものですが、少し意識するだけでも、ニートは確実に増やすことができます。無駄に動けば、無駄肉は減らせるのです。
1日のうち約16時間起きていることを考えると、その間消費されるニートを増やせば、これはなかなかのものですよ。ダイエットの第一歩として、まずは「ニートを増やすこと」から、始めてみませんか。
 

『ニート(NEAT)』を増やすための10ヵ条

1, 目指せ1日1万歩(これで300kcalの消費)
2, 買い物は歩いてカートは使用せず
3, ゴロ寝、昼寝は肥満の大敵
4, 楽しい仲間(友人、家族、ペットなど)と一緒に運動
5, 週末は運動不足になりがち。弁当持参で野外を散歩
6, 歩数計は多くの教えをくれる心強いトレーナー
7, 無駄に動いて無駄肉をなくそう
8, 動きは大きく、全身で。流れる汗とともに脂肪分解
9, もう一歩、もう一段の積み重ねがダイエット
10, 「あと1000歩」を目指し、一駅手前で途中下車
 

筆者紹介

森谷 敏夫先生

森谷 敏夫先生

京都大学 大学院人間・環境学研究科 応用生理学研究室 教授
1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)
テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、カロリンスカ医学研究所国際研究員、米国モンタナ大学生命科学部客員教授等を経て1992年、現職。専門は応用生理学とスポーツ医学。

明るくハツラツとしたキャラクターと笑顔が、大学の生徒からも大人気。身振り手振りを交え、楽しく進む講義は受講者の心をつかむ。自身も60歳を過ぎてなお毎日8kmのジョギングを欠かさない根っからのアスリート。

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